MLMと法律

違反行為に刑事罰|特定商取引法の改正に向けた消費者庁の動きから

ネットワークビジネスのルールを定めた

「特定商取引法」

について、こんな記事がYAHOOニュースに掲載されました。

消費者庁、販売預託商法を禁止へ「反社会性がある行為」と判断

消費者庁は19日、預託法と特定商取引法の改正に向けた有識者検討会の報告書を公表した。預託法は、安愚楽牧場やジャパンライフなど大規模な消費者被害を起こした販売預託商法を原則禁止とし、特商法は、顧客の意に反して「定期購入契約」させる行為に対し刑事罰を導入する方針などを盛り込んだ。同庁はそれぞれ改正案を作成し、来年の通常国会に提出する。

メインの話題は社会問題になった

「安愚楽牧場」

「ジャパンライフ」

で行われていた

「販売預託商法」

の原則禁止についてです。

ジャパンライフについては、こちらの記事をご覧ください。

詳細記事
安倍晋三首相主催の桜を見る会に招待されたジャパンライフの破産から学ぶべきこと

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消費者庁が公表している報告書を見ると、ネットワークビジネスの今後について重要なことが記載されていました。

ネットワークビジネスの今後について重要なこと、それは

「違反行為に刑事罰」

を科すことが検討されているのです。

詐欺罪相当の罰則も

消費者庁の検討委員会が公表した

「報告書」

をご覧いただくとわかります。

「Ⅲ.消費者の脆弱性につけ込む悪徳商法への対応強化」

という章の中の

「2.消費者被害の拡大防止等を図るための措置」

の部分の一節に、次のような記載があります。

また、特定商取引法における不実告知等の禁止の規定に違反した場合について、詐欺罪等の法定刑も勘案しながら、消費者被害の未然防止に資するとともに、違法収益の没収も可能となるレベルへの罰則の引上げを検討すべきである。

重要なのは

「詐欺罪等の法定刑も勘案しながら」

という部分です。

将来的に、刑法の詐欺罪を科す、あるいは詐欺罪に相当する刑罰を盛り込むことが検討され始めたのです。

どのような場合を想定しているのか。

上の記載の中に

「不実告知等の禁止の規定に違反した場合」

とあります。

不実告知の禁止

特定商取引法の中で、ネットワークビジネス(連鎖販売取引)に対して

「不実告知の禁止」

を定めているのは第34条です。

特定商取引法第34条については、次の記事で詳細をお伝えしています。

詳細記事
【解説】特定商取引法(連鎖販売取引部分)|MLMに必要なルール

目次 第33条|定義条文解説定義を理解する第33条の2|氏名等の表示義務条文解説明示するのは義務第34条|禁止行為条文解説人としてしてはいけないこと第34条の2|合理的な根拠を示す資料の提出条文解説ま ...

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かいつまんでお伝えすると、第34条には

「会社・ネットワーカーがしてはいけないこと」

が定められています。

その中の1つに

「不実告知の禁止」

があります。

平易な言葉に直すと、不実告知の禁止とは

「事実でないことをあたかも事実であるかのように相手に伝えてはいけない」

ということになります。

行政処分となった事例を見ると、例えば

「登録したら必ず儲かるよ!」

「このサプリはガンに効くよ!」

と相手に伝えてしまうことです。

ネットワークビジネスを始めても、稼げるかどうかは誰にもわかりません。

その人の努力次第です。

サプリメントでガンが治るということは、医学的に証明されていません。

これで必ず完治するという手法は未だにありません。

でも、相手を登録させたいがために、事実でないことをまるで事実であるかのように伝えてしまう。

過去に繰り返し起こっている事例です。

詐欺罪の刑罰とは?

では、刑法の詐欺罪ではどういう刑罰になるのか。

新聞やニュースで

「詐欺罪」

という言葉を聞いても

「人を騙してお金を取ったんだな」

くらいにしか思わない場合がほとんどでしょう。

しかし、ネットワークビジネスをしているあなたなら

「自分の活動が詐欺罪になってしまうかも」

と思ったら、見え方が変わるのではないでしょうか。

詐欺罪とされる条件

法律で詐欺罪と認められるためには

「認められるための条件」

を満たすことが必要です。

これを法律的には

「構成要件」

といいます。

裁判で有罪が認められるためには

「構成要件を満たすこと」

が必要です。

法廷では、構成要件を満たすかどうかが争われているのです。

詐欺罪の構成要件は

  1. 欺罔行為があったこと
  2. 錯誤に陥ったこと
  3. 支払行為があったこと
  4. 財物が移転したこと
  5. 損害が発生したこと

となります。

普段使わない言葉がありますよね。

「欺罔行為」とか「錯誤」なんて聞いたことがないと思います。

法律用語なので。

ですから、平易な言葉にしてネットワークビジネスにあてはめてみると

  1. 必ず儲かると嘘をついたこと
  2. 相手が儲かると思い込んだこと
  3. 相手が初期費用を支払ったこと
  4. 実際にお金が入金されたこと
  5. 分かっていたら払わないお金だったこと

となります。

3〜5については、想像がしにくいかもしれません。

日常生活では1つのことに見えるからです。

現代では、何かを買うときカードで決済することが多く、実際のお金の流れが見えにくいこともあります。

カードで物を買うとき、実際にお金を渡すわけではありません。

この時点では、カード会社が立て替えます。

といっても、オンラインのデータ上の話です。

カード会社は、毎日毎日立て替えるのではありません。

経理上の問題もあるので、特定の日に、その期間に取引のあった金額をまとめて決済します。

特定の決済する日になってはじめて、あなたの支払い分が物を買ったお店に入金されます。

もし、あなたの買ったものが要らないもので、返品するとします。

でも、要らないものだって分かるのは、時間が経ってからのことですよね。

物とお金の流れを分解して考えると

「3~5の要件」

の意味が分かってくるでしょう。

詐欺罪の刑罰

刑法246条1項は、次のように規定しています。

人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

考えてみてください。

10年以下の懲役は、刑法の中でも比較的重たい刑罰です。

ネットワークビジネスの活動で有罪になってしまい

「少なくとも5,6年刑務所に入る」

恐ろしいことだと思いませんか?

裏を返せば、ネットワークビジネスを含む無店舗販売のビジネスにおいて

「不適切な営業・勧誘活動」

が多いことを、国が問題にしているということです。

これまで、ネットワークビジネスに対しては

「業務停止命令」

という行政処分が最も重い処分でした。

しかし、近い将来、詐欺罪そのものが科されることはなくても

「詐欺罪と同等の罰則」

が特定商取引法に定められる可能性が出てきました。

見過ごすことも罪になる

刑事罰、あるいは刑事罰相当の罰則が科されることになると

「分かっていて見過ごしたこと」

も罪になる可能性があります。

刑法には

「教唆・幇助」

という概念があります。

どういうことか。

実際にその罪を犯したわけではなくても、罪を犯した人を

「そそのかした」

「見てみぬふりをした」

「手助けしてやった」

ことも罪になるのです。

そうなると、アップラインやグループの人が

「これはちょっと問題かもしれない」

と思いながら、問題のあるメンバーの活動を放置していた場合

「教唆・幇助」

の罪に問われるかもしれないということです。

つまり、ネットワークビジネスをしていく人たちは、今後

「不適切な活動は、将来罪に問われる」

ということも意識しておく必要があります。

ですから、ネットワークビジネスの活動も

「健全・堅実」

にしている会社・グループのみが生き残る時代になるのです。

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